新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、不特定多数の人が長時間、乗り合わせる夜行バスやフェリーの運営会社、航空各社などが対応に神経をとがらせている。外出を控える旅行客からのキャンセルも打撃で、「いつまで続くのか」と悲鳴が上がる。
 全国で高速バスを運行する桜交通(福島県白河市)は、長距離バスの走行後、手すりや背もたれを中心に車内の消毒を徹底している。乗降口にはアルコール消毒液を置いて、乗客に手指の消毒を求め、希望者にはマスクも配布している。
 ただ、徹底した対策にもかかわらず、キャンセルの連絡は増えている。担当者は「最大限の対応をしており、これ以上は難しい。いつまで続くのか」と嘆いた。
 クルーズ船での集団感染などを受け、フェリー会社も警戒を強める。新日本海フェリー(大阪市)が京都府の舞鶴港と北海道の小樽港を結ぶ定期便は、航行時間が21時間に及ぶ。船内放送で、乗客に手洗いやせきエチケットの励行を呼び掛けるとともに、体調が悪い人は船員に申し出るよう求めるなど対策に余念がない。
 日本航空と全日空は、中国発着便の肘掛けやトイレのドアノブなどのアルコール消毒を徹底し、客室乗務員と地上係員のマスク着用を認めている。日航の担当者は「状況を見ながら適切に対応していく」と話した。
 東海大の金谷泰宏教授(公衆衛生学)は「消毒を徹底し、衛生環境を可能な限り保ってほしい。特に不特定多数の人が利用するトイレには気を付けるべきだ」と指摘。乗客に対しては、「マスク着用と乗り降りの際の手洗いが必須。ウイルスが付着しやすくなる乾燥を防ぐため、水分補給も大事だ」とアドバイスしている。 (C)時事通信社