新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は25日、患者が大幅に増えた地域では、感染症指定医療機関以外の一般病院でも患者を受け入れる方針を示した。設備が整っていない病院は「院内感染を起こしてはならない」と神経をとがらせ、対応を急いでいる。
 院内会議で対応策を検討してきた札幌市の総合病院は、3月から病院専用の駐車場で、プレハブを利用した発熱外来を開設する。かつて重症急性呼吸器症候群(SARS)対策として用意したプレハブを診察室とし、さらに二棟を増設して待機室にするという。
 院内の講義室を検査室に変更。動かせないレントゲンなどによる検査は、時間帯をずらしたり、動線を分けたりして対応する。担当者は「感染疑いの線引きが難しいが、院内感染を防ぎながら、患者をどう救えるかだ」と話した。
 感染症患者専用の診察室がある東京都内の災害拠点病院は、感染患者向けのトイレを用意し、一般患者と共用するレントゲン撮影機の消毒を徹底するなどの対策を進める。
 ただマンパワーには限りがあり、「たくさんの希望者が来たら診察の人手が足りなくなる」と懸念する。感染症の診察に欠かせないマスクや手袋は品薄で、在庫不足への不安も拭えない。
 死亡した女性からの院内感染とみられる事例が発生した神奈川県では、通院患者から不安の声が上がった。自身の持病と入院する妻の面会のため横浜市の病院を訪れた坂口勇さん(90)は、「感染を考えると、病院に行くのは怖い」と不安そうに話す。院内では、患者が互いに敬遠しているような様子だったという。
 高血圧治療のため月に一度、同病院へ通う千葉定吉さん(80)は「いつもの倍の量の薬を処方してもらった。病院側も、なるべく通院しなくて済むように配慮しているようだ」と話した。 (C)時事通信社