【北京時事】新型コロナウイルスが発生し、1月23日から交通封鎖が続く中国湖北省武漢市で、刑務所を出所した女性が家族の迎えの車で北京に戻り、感染が確認されたことが27日までに分かった。封鎖の「穴」が露呈し、北京市や湖北省が調査に乗り出すなど波紋が広がっている。
 中国メディアによると、女性は今月17日、汚職事件の刑期を約9年で満了し、武漢の女子刑務所を出所。翌日から発熱などの症状が出たが、家族の車で22日、北京に到着した。24日に新型コロナウイルスの感染の確定診断を受け、隔離された。女子刑務所は21日に集団感染が表面化していた。
 女性が戻った実家は、習近平国家主席らが執務・居住する中南海や天安門広場から数キロの都心。危機感を募らせる北京市政府は26日、女性がどう封鎖網を突破したか調査に着手した。
 習氏の側近で、対策強化のため送り込まれた湖北省トップの応勇・党委員会書記はメンツを失った格好。応氏は26日、「断じて許せない。武漢市や湖北省の通行管理は全国防疫対策の大局にかかわる」と怒りをあらわにするとともに、調査チームを発足させた。責任者を厳罰に処す構えだ。
 武漢市政府は27日、市内滞在を余儀なくされている市外の人に寝食などの「基本的な生活保障を提供する」と発表した。武漢脱出を阻止する狙い。同市では一部の人は市外に出られると通知し、直後に撤回する混乱があったばかりだが、例外なく市内に封じ込める方針を明確にした。 (C)時事通信社