【台北時事】道教の海の女神「媽祖」信仰が盛んな台湾で、この時期に各地で行われる巡礼行事が相次いで延期を余儀なくされている。数十万人の信者や観光客が集まる場合もあり、巡礼を主催する媽祖廟は、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するため、苦渋の決断を迫られた。
 巡礼行事は、信者がご神体と一緒に数日間かけて、100キロ以上を練り歩く。毎年100万人近い信者を集め、台湾最大規模の巡礼を主催する台中の大甲鎮瀾宮は27日、3月19~28日で予定していた巡礼を延期すると発表した。同宮の巡礼は300年近い歴史があるとされ、台湾メディアによると、経済効果は50億台湾ドル(約180億円)ともいわれている。
 大甲鎮瀾宮側は当初、予定通りに開催すると明言していたが、政府は「感染の拡大防止を最優先してほしい」と延期や中止を暗に求め、世論もこれを支持。同宮側が最終的に折れた格好だ。延期後の日程は改めて決めるという。
 媽祖巡礼をめぐっては、中部・苗栗県の媽祖廟・白沙屯拱天宮も延期を決めており、その他の道教寺院などにも行事の縮小や延期、中止の動きが広がっている。 (C)時事通信社