新型コロナウイルスの感染拡大で、政府が全国の小中高校などに休校を要請し、学校現場に困惑が広がっている。「先生に会えるのは最後?」「卒業式はどうなるのか」。一夜明けた28日、登校した生徒らは戸惑いや不安を漏らし、保護者からは憤る声も上がった。
 千葉市の小学3年永野亜珠さん(9)は、卒業生を送り出す3月の「お別れの会」が突然、中止になると知り、声を上げて泣いた。「校内のオーディションにせっかく受かったのに」。晴れ舞台に向け練習したピアノを弾く機会は失われた。28日は友達や担任の先生と同じクラスで会える最後の機会になりかねない。「バイバイを言わないと」とさみしそうに話した。
 大阪市内の中学校に通う3年の男子生徒は、「急でびっくりした」と驚きを隠せない様子。今回の措置を受け、学校では卒業式を卒業生と保護者のみで行う予定で、「一生に一回しかない卒業式で後輩に送ってもらえないのは寂しい」と話した。
 進学校として知られる福岡市早良区の福岡県立修猷館高校では28日朝、登校した2年の女子生徒(17)が「長過ぎる休みはうれしくない。授業が受けられず受験勉強に影響が出るのでは」と不安そうに話した。1年の男子生徒(16)も「休校開けの授業が大変。テストが不安だが、(感染拡大防止のため)仕方がない」と諦め顔で語った。
 「卒業式の日程を28日に発表する予定だった」。都内の特別支援学校の男性教師(30)も落胆を隠さない。高校3年生の担任で、予行演習などもしていた。「できるのなら式をやってほしい」と困惑した様子だった。
 保護者らは不安や憤りを訴える。小学1年の長女(7)を育てる福岡市のシングルマザー(38)は、「親のことも考えず、休業補償もなしに休みにするとか言わないで。本当に困る」と語気を強めた。「収入はパートに頼っており仕事を休めば生活はできない。どうしたらいいだろう」と語った。
 長男(7)と長女(4)、次女(2)を抱える名古屋市の男性会社員(38)は、「子どもの健康を考えてのことでやむを得ないと思うが、親には負担。そこまで必要なのか」と驚いた。 (C)時事通信社