新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「トイレットペーパーやティッシュの原材料がマスクに使われる」とのデマが広がり、全国的にこれらの紙製品が品薄となっている。外出自粛を受けた買いだめが重なったことも原因とみられるが、インターネット上には買い占めた商品の高額転売とみられる出品も。業界団体などは「正しい情報に基づいて行動してほしい」と訴え、経済産業省は「供給は潤沢。必要な人に届くよう冷静な行動を」と呼び掛けている。
 横浜市内のドラッグストアの店長(44)によると、27日夕方からトイレットペーパーなどが急に売れ始めたという。おむつなどにも影響が出ており、「外に出なくなるから備蓄しようという動きもあるようだ」と話す。同市内でティッシュを購入していた高齢の女性は「娘から『買った方がいい』と連絡があり、家にはまだあるが予備で買ってしまった」と話した。
 業界団体の日本家庭紙工業会によると、熊本県を中心に「中国でマスクに使われ、原材料がなくなる」というデマが拡散した影響や、外出自粛に伴う需要もあり、27日から店頭に購入客が殺到しているという。担当者は「原材料も在庫も問題ない。そもそもマスクとトイレットペーパーなどは原材料が違う。パニックになる必要は全くない」と訴えた。
 熊本市内の量販店店長(40)は「個数制限を設けたが売り切れた」と困った様子。28日は「品薄になる」と聞いた客らが朝から列をつくり、問い合わせも殺到したという。大西一史熊本市長は同日の記者会見で「在庫もあると流通業者に確認した。冷静な対応をお願いしたい」と呼び掛けた。
 インターネット通販大手アマゾンでは、トイレットペーパーなどの在庫切れが相次ぎ、購入できない状態となった。フリーマーケットアプリではマスクと同様、高値での出品が見受けられ、ネット上で批判の声も上がっている。 (C)時事通信社