国内に強く疑われる患者が1000万人いるとされる糖尿病を抑えるのに、有機化合物のクレゾールが有効であることが動物実験で分かったと、京都大やパリ大の共同研究チームが発表した。ヒトについても糖尿病を予防し治療できる可能性があるという。論文は米科学誌セル・リポーツの電子版に掲載された。
 研究チームはレバノン人137人から提供された血液に含まれる代謝物を網羅的に解析。糖尿病患者はそうではない人と比べ、クレゾールの血中濃度が低かった。
 そこで、高脂肪の餌を食べさせたマウスに、微量のクレゾールを継続的に皮下投与する実験をした。その結果、クレゾールを与えたマウスは血糖値が低く、血糖値を下げるインスリンの分泌量が増えていた。
 糖尿病になっているラットを使った実験でも、クレゾールを投与したラットがインスリンの分泌量は多かった。
 ヒトはクレゾールを自身で作ることができず、食べ物に含まれるか腸内細菌が生成するかして得ている。研究チームの松田文彦京大教授は「どの腸内細菌がクレゾールを作っているか分かれば、サプリメントによって血糖値を抑えられる可能性がある」と話した。 (C)時事通信社