新型コロナウイルスの感染拡大で、アルコール消毒液が売り切れ状態となる中、アルコール度数の高いポーランドのウオッカ「スピリタス」も品薄になるという現象が起きている。消毒液の代用品として需要が急増しているとみられるが、専門家は「重要なのはウイルスを水で洗い流すことだ」とこまめな手洗いの大切さを訴えている。
 酒類輸入販売会社「ミリオン商事」(東京都江東区)によると、スピリタスはアルコール度数が96%と、世界最高度数の酒とされる。フルーツ系のカクテルなどに使われ、バーで提供されることもある。同社では過去1~2週間で出荷量が急増。例年の2倍以上に達し、広報担当者は「出荷規制をかけないといけない状態」と話す。
 インターネット上では、スピリタスを使った消毒液の情報が出回り、代用品を作ろうとしている人たちの存在がうかがえる。同社の担当者は「品薄で長年愛用されているお客さまに迷惑が掛かる。正直勘弁してほしい」と困惑気味だ。
 日本ポーランド協会東京センターによると、ポーランドでも食器の消毒でアルコールの代わりに使われることがある。「用途として問題ないと思う。ポーランドの人も需要が増えれば喜ぶだろう」としている。
 ただ、スピリタスは揮発性が高く、引火事故が起きたケースもあり、同センターは「取り扱いには注意が必要」と警鐘を鳴らす。
 一方、アルコールによる消毒に執着することについて「あまりお勧めできない」と語るのは公衆衛生学が専門の鈴木宏新潟大名誉教授。「素人が消毒液の代用品を作ろうとするよりも、水でもいいので手洗いをしっかりすることが大事だ」と解説した。 (C)時事通信社