新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全国一斉の休校が始まった。政府の専門家会議に諮らずに休校を決めた安倍晋三首相の判断に対し、専門家からは、拡大を抑える科学的な根拠が明らかでないと批判の声が上がっている。
 同会議の複数の関係者は、全国一斉の休校については「検討していなかった」と明かす。学校で集団感染が起きるインフルエンザとは異なり、新型ウイルスは子どもの発症が極めて少ない。子どもが流行を広げる要因となるのかや休校に効果があるのかについて、政府は科学的根拠を示していない。
 仮に子どもが無症状や軽症のまま感染を広げている場合でも、感染拡大が始まった地域でなければ休校の効果は限られるとみられる。和田耕治・国際医療福祉大教授は、休校は授業の遅れや家庭の負担などの影響も大きいとし、「何度も使えない切り札を使ってしまった」と指摘。「効果をどう判定するか、どのような状況になれば緩和するか、基準を決めた上で始めるべきだった」と批判した。
 その上で、「一斉休校が始まった以上、死亡者を減らすための医療提供体制整備などをこの間に進めなければいけない」と求めた。 (C)時事通信社