国立感染症研究所は6日、気管支ぜんそく治療に広く使われる吸入薬「シクレソニド」(商品名オルベスコ)が新型コロナウイルスによる肺炎の症状を改善したとの報告について、ウイルスの遺伝情報を担うリボ核酸(RNA)の複製を阻害したとの見方を明らかにした。
 感染研の大西真副所長によると、シクレソニドは中東呼吸器症候群(MERS)で抗ウイルス作用を示したとのデータがあった。感染研から紹介を受けた神奈川県立足柄上病院(同県松田町)が高齢の肺炎患者3人に投与し、数日で発熱や呼吸困難などの症状が改善したと日本感染症学会に報告した。
 この報告によると、3人はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で感染し、入院した78歳男性や73歳と67歳の女性。シクレソニドの治療効果を判断するには症例を蓄積する必要があるとしながらも、使用に際しては肺に届くよう深く吸入することが重要と指摘している。 (C)時事通信社