新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全国の小中高校などが臨時休校する中、各地の教育委員会や学校が知恵を絞り、卒業式の開催を目指している。「時短にしてでもちゃんと卒業させてあげたい」「感染者が出れば中止も」。綱渡りの準備が続く。
 文部科学省によると、今月中旬ごろに集中する小中学校の卒業式は、各自治体が中止しない方向で動いている。在校生や来賓の出席を取りやめ、祝辞はプリント配布。椅子の間隔を広げたり、卒業証書の授与を学級代表だけにしたりするなど、各自治体や各校の判断で工夫を凝らしている。
 6日現在で感染者が一人も出ていない群馬県の渋川市教委は、市内全9校の中学校の卒業式を予定通り13日に行うことを決めた。市立渋川中学校では、来賓祝辞や「仰げば尊し」の合唱をやめて所要時間を半分以下にし、参加人数も3分の1程度に絞って感染リスクを下げる。市村正好校長は「苦しい判断だが、卒業式を認めてくれるだけありがたい」と話し、感染者が出ないことを祈る。
 静岡県沼津市の私立加藤学園暁秀初等学校では、6年生74人が午前と午後に分かれて式に臨む。保護者と児童に1週間前から毎日、体温を記録してもらい、当日は登校から下校まで1時間以内に収める。3月上旬の修学旅行は中止しており、佐藤誠一副校長は「せめて卒業式だけはしてあげたい」と話した。
 「当日まで分からない」。津市は、68ある市立小中学校などの卒業式で保護者の参加を認めない方針だが、感染拡大の状況がなければ、参加できるよう検討するという。参加を求める嘆願書の署名も集まっているといい、市の担当者は「気持ちも分かるが、状況が日に日に変わり、国の方針もどうなるか分からない」と苦悩をのぞかせた。
 岐阜県瑞穂市は、卒業式が中止になった場合、学級担任が各家庭を訪問するなどして卒業証書を手渡すことを公表した。担当者は「少しでも不安を払拭(ふっしょく)したい」と話した。 (C)時事通信社