新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、中国と韓国からの入国者に14日間の待機を要請するとの政府方針の影響が、各方面に広がっている。空港では予定を前倒しして入国する人が相次ぎ、観光業界からは倒産を懸念する声も。留学生を受け入れる日本語学校も「大変な事態」と対応に追われた。
 慶応大に留学する韓国人男性(25)は月末だった予定を前倒し、6日午後、羽田空港から入国。「飛行機のチケットが取れるか不安だった。韓国も似たような状況だが、待機させられるのは大変だろう」と話した。中国在住の日本人男性(55)は、日本に避難中の妻子を中国に連れ戻すために一時帰国し、「今は逆に日本が危ない」と不安を口にした。
 成田空港のソウル行きの出発ロビーでは、急きょ出張が決まったという日本企業勤務の韓国人男性(41)が「韓国人としてうれしくはないが、早く感染を収束させてほしい」と話した。
 訪日客の半数が中韓両国からで占められるという観光業界への影響も甚大だ。2018年の調査で、外国人訪問客の63.4%が韓国人だった福岡県。日韓関係悪化の影響で、昨年7月ごろから利用者減少が続くというJR博多駅前のホテル関係者は「このまま客がいなくなればコロナ倒産だ。助成金などの補填(ほてん)がないと経営がもたない」と危機感を募らせた。
 関西空港発着のリムジンバスを運行する関西空港交通(大阪府泉佐野市)は、新型ウイルス問題への対応で、4月1日から7路線での減便を発表したばかり。同社営業部の梶谷昌司課長は「打撃は大きい。さらなる対応が必要だ」と話した。
 4月に留学生受け入れを予定する日本語学校からも悲鳴が上がる。YMCA東京日本語学校の担当者は「学生から『どうしたらいいのか』と問い合わせも多い。ビザはどうなるのか」と困惑した様子。業界団体の日本語教育振興協会は「留学生が半分以下に減る学校もある。経営の根幹にかかわる大変な事態だ」と加盟校への打撃を懸念した。 (C)時事通信社