新型コロナウイルスの感染者数が全国最多の北海道では、今週末も大勢の人が集まる場所への外出自粛が呼び掛けられた。鈴木直道知事が2月28日に出した緊急事態宣言を受け、観光施設や遊興施設の閉館が相次ぐ札幌市中心部からは人けが消え、活気が失われた。繁華街で営業する店も、開店し続けることへの葛藤をのぞかせる。
 札幌市が設置した緊急経営相談窓口には、3月2~5日に計341件の相談があった。札幌商工会議所の窓口にも先月末から問い合わせが急増。観光客向けの事業者に限らず、外出自粛の影響を受けた飲食店やサービス業など、幅広い業種から相談があるという。
 歓楽街・ススキノにある人気居酒屋では緊急事態宣言後に予約キャンセルが相次ぎ、売り上げは例年の半分程度になった。30代の男性店長は「外出自粛が呼び掛けられている中、営業してもいいのか。閉店すべきなのかも」と戸惑いを明かす。「過去にない厳しい状況。営業するからには、とにかく感染者が出ないようにしたい」と強調した。
 札幌市南区にあるスナック「Sakura」では、カラオケのマイクを客同士で回さないようにしたり、来店時に除菌シートとおしぼりの両方で手を拭ってもらったりして、感染防止を徹底。客は3分の1ほどに落ち込み、従業員を減らした。経営する高岡由紀子さん(52)は「休む店も多いが、こんなときだからこそストレス解消の場として店を開けたい」と話した。 (C)時事通信社