新型コロナウイルスの流入阻止に向け、政府が中国・韓国からの入国を制限する一連の措置を発動した9日、関西空港や成田空港では、検疫官らが入国者に2週間の待機などを要請した。多くの人が前日までに「駆け込み帰国」したこともあり、この日の到着便利用者はまばらだった。
 関西空港には午前8時半ごろ、ソウル発の便が到着。利用したのは3人のみで、到着先の第2ターミナルは閑散としていた。3人は検疫所で、14日間自宅などで待機することや、公共交通機関を使わないことなどを求められた。いずれも電車での帰宅予定を急きょ変更し、家族や友人に車での迎えを頼んだという。
 大学の友人同士で韓国旅行から帰国した大阪市の管波若葉さん(19)は「いきなり入国制限を決められ、アルバイトに行けず困る」と戸惑いを口にしたが、「他人に迷惑は掛けられない」と諦めたような様子だった。
 日本語学校を卒業後、帰省していた大阪市西区の韓国籍、金進錫さん(27)は、4月から調理師専門学校に通うため戻ってきた。「きのう制限を知り覚悟していたので、入国できてよかった。きょうの便を逃したら来られなかったかも」と安堵(あんど)の表情を浮かべていた。
 成田空港にも午前8時15分ごろ、ソウル発の便が到着。定員約190人のところ乗客はわずか8人だった。茨城県に住む40代の自営業男性は、6日から妻と観光で韓国を訪れていた。「8日に帰国しようとしたが、すごく混んでいたので1日ずらした」と説明。自家用車で帰宅し、自宅待機するといい、「自営なので仕事の調整はつく」と話した。
 観光で1週間、韓国を訪れていたフランス国籍の女性は、「賢明な措置とは思えない」と入国制限を批判。日本での滞在先のシェアハウスには戻れないので、検疫所に紹介された空港近隣のホテルに2週間待機するという。 (C)時事通信社