【ワシントン時事】トランプ米政権は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、保険に加入していない米国人感染者の治療費を補償することを検討している。11月の大統領選に向けて感染症対策や医療保険制度改革が争点の一つとなる中、野党民主党の批判をかわす思惑もありそうだ。
 米保健福祉省のカドレック危機管理担当次官補が3日の議会で、自然災害で被災した米国民の治療費を補償する制度を適用する方向で協議していると証言した。2017年の超大型ハリケーン「イルマ」での被災者に対しても同制度に基づき支援したという。
 米国勢調査局によれば、18年の保険未加入者は2750万人。全人口の約8.5%を占め、前年比で10年ぶりに増加に転じた。共和党のトランプ政権は、オバマ前民主党政権の医療保険制度改革(オバマケア)に伴う保険料引き上げが未加入者増につながったと主張。一方で民間調査会社は「現政権が低所得者向け公的保険の加入条件を厳格化したことも一因」と指摘した。
 大統領選の民主党候補指名争いで、各候補はトランプ大統領の対応を厳しく批判する。急進左派のサンダース上院議員は「国民皆保険なら全国民が治療を受けることができる」と持論を述べ、保険未加入者の増加を非難。中道派のバイデン前副大統領も、感染症対策を担う疾病対策センター(CDC)の予算が不十分だと訴えている。 (C)時事通信社