【パリ時事】新型コロナウイルスの感染拡大を受け、イタリアでは10日、国内全域で人の移動の制限が始まった。地元メディアは同日、食料や日用品を求めて24時間営業のスーパーマーケットに長蛇の列をつくる住民の姿を伝えた。前例のない移動制限の影響は、国民生活の隅々にまで及びそうだ。
 保健省は9日、新型コロナウイルスの感染者が前日比1797人増の9172人に達し、死者は同97人増の463人となったと発表した。1日での感染確認数は、8日に続き過去最多を更新した。
 異例の全土移動制限は10日から4月3日まで実施される。政府はこれまで、感染例の多い北部ロンバルディア州などを中心に居住地域の外に出ることを原則禁止していたが、範囲を全土に拡大する。鉄道やバスなどの交通機関は停止せず、仕事で必要な場合や緊急時には移動が認められる。
 コンテ首相は、移動制限を発表した9日の記者会見で「スポーツイベントを継続する理由はない」と説明。サッカー1部リーグ(セリエA)も4月3日まで中断される。
 ANSA通信によると、コンテ首相は9日、主要紙レプブリカのインタビューに応じ「今が一番苦しい時だが、われわれは乗り越える」と強調。感染拡大防止のため「政府だけでなく各自治体レベルでも統一された行動に協力する必要がある」と呼び掛けた。 (C)時事通信社