中国広州市にある中山大学付属病院の研究チームは13日までに、武漢市を除く中国国内で新型コロナウイルス感染のため入院し、帝王切開で出産した妊婦10人の症例を調べ、感染症専門誌ジャーナル・オブ・インフェクション電子版に発表した。このうち9人は健康な新生児が誕生し、母子感染はなかったが、重症の1人は死産となった。
 この死産となった女性(31)は、臨月に近い妊娠34週余りで発熱や喉の痛みが生じ、感染が確認されて入院。肺や肝臓、腎臓などの多臓器障害で集中治療室に入り、体外式膜型人工肺(ECMO)を装着した。
 子が生まれた女性のうち3人は胎児が低酸素状態になる機能不全(ジストレス)、1人は前期破水のため緊急帝王切開を行った。死産を含め、これらはウイルス感染が影響した可能性があるという。
 10人は22~36歳で持病はなく、発症時は妊娠32~38週。家族からうつったか、武漢市に何らかのつながりがあって感染したとみられる。研究チームは、生まれた子が重い新生児仮死に至らず、母から子への感染がなかったのは幸いだとした上で、妊婦の感染防止に一層注意するよう呼び掛けている。
 日本では、日本産婦人科感染症学会が妊婦や妊娠希望者に向けた注意文書をホームページに掲載している。 (C)時事通信社