新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、スーパーを中心に、納豆やヨーグルトが売れている。「免疫力を高める」として、健康に良い食材のイメージがあるため、家庭での需要が高まっているとみられる。一方、専門家は「免疫力を高めるという科学的根拠はない」と指摘している。
 筑波大免疫学研究室などによると、免疫は体外からの病原体などに対する防御の役割を果たす。一般的に、体内の栄養バランスが低下したり、身体が冷えたりすると免疫力が下がりやすくなり、感染症などにかかる可能性が高まるとされる。
 食品データ収集分析会社「KSP」によると、新型ウイルスの拡大に合わせるように、1月第2週から2月第3週にかけてヨーグルトの売れ行きは前年同期比4%増、納豆は同11%増加した。同社はこの理由について、『免疫力を高める』『腸のバリアー機能を活性化させる』といった食材のイメージに注目が集まっていると分析する。
 「納豆のまち」を掲げる水戸市。商工会議所の担当者は「ここ一週間程度、納豆が品薄状態。人々の間に健康食品としてのイメージがあるのでは」と話す。スーパー「カスミ」の担当者も「(納豆を)まとめ買いする方も多く、通常より売れている」と強調した。
 一方、専門家は納豆などを食べることと、ウイルス感染の関連性を否定する。筑波大の渋谷彰教授(免疫学)は「腸内環境によって免疫力が上がる可能性はあるが、直接的に関係があるとは言えない」と指摘。中村学園大の徳井教孝教授(予防医学)も「何か特別な食品が免疫力を高めるという科学的根拠はない」と話し、「ウイルスへの手だてがない中、不安から(人々が)行動を起こすのだろう」と話している。 (C)時事通信社