【パリ、ベルリン時事】イタリア保健省は12日、国内の新型コロナウイルス感染者が1万5000人を超え、1016人が死亡したと明らかにした。死者が1000人を超えたのは中国に続き世界で2カ国目。他の主要国でもスペインで約4000人、仏独で約3000人と感染者が急増しており、イタリアを中心に欧州が中国などに代わる新たな「震源地」となりつつある。各国とも懸命の対策を取っているが、終息への見通しは立っていない。
 コンテ伊首相は全土で移動制限を発動し、薬局と食料品店以外の全店舗に一時休業を命じた。地元メディアによると、専門家はこれら対策の効果を週末中にも見極める方針で、今後さらに厳しい措置が取られる可能性もあるという。
 イタリアの周辺国では、事実上の国境封鎖に踏み切る国も出てきた。報道によれば、チェコは12日、非常事態を宣言し、一部外国人について感染者の多い国からの入国を禁止。スロバキアも在留許可を持たない外国人などの入国拒否を決めた。マクロン仏大統領も、欧州連合(EU)と協議の上で「国境封鎖もあり得る」と警戒感を強めている。オーストリアはすでに封鎖を決め、来週から一段の措置として生活必需品以外の店舗の多くも休業させる方針。
 フランスでは12日現在、感染者は約2900人、死者は61人。ただ、フランスの1日当たりのウイルス検査件数が数百件なのに対し、イタリアは2000~8000件。地域圏保健局のルソー局長はルモンド紙に「実際の国内の感染者数はもっと多いだろう」と認めた。
 ドイツのメルケル首相も11日、「免疫も治療法もなく、ドイツ人口の60~70%が感染する可能性がある」と述べ、状況の厳しさを警告した。また、ベルリン(州に相当)やバイエルンなど多くの州が、来週からの学校閉鎖を決めた。 (C)時事通信社