【ロンドン、ニューヨーク時事】世界の航空業界が激しい乱気流に飲み込まれている。新型コロナウイルスの感染拡大で航空需要が急減。今年の世界の旅客収入が約12兆円減少するとの予測もあり、航空会社は生き残りに向けて正念場を迎えている。
 「過去に類を見ない世界規模の危機だ。米同時多発テロ(2001年)や金融危機(08年)の時よりも深刻だ」。欧州メディアによると、英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズのクルーズ最高経営責任者(CEO)は従業員宛てのビデオメッセージでこう窮状を訴え、人員削減に踏み切る考えを示した。
 独ルフトハンザ航空は独政府などに資金繰り支援を要請。デルタ航空など米航空大手も支援を求め米政府と協議していると報じられており、世界的な大企業でさえ、経営難にあえぐ現状が浮き彫りとなっている。
 旅行需要は世界中で落ち込んでおり、デルタは日本線を含む太平洋線の輸送人員を当初計画から65%減らした。11日にはトランプ米大統領が英国を除く欧州からの30日間の入国禁止措置を発表し、逆風は強まるばかりだ。
 航空会社の業界団体である国際航空運送協会(IATA)は5日、新型ウイルスの感染拡大により、今年の旅客収入が19%(約12兆円)押し下げられる恐れがあるとの試算を発表。12日には、米国による入国禁止が一層の打撃になるとして、航空業界を支援するよう各国政府に求めた。 (C)時事通信社