【ベルリン時事】トランプ米大統領が、新型コロナウイルスのワクチン開発を進めているドイツ企業をめぐり、資金提供の見返りにワクチンを米国のために独占しようとしたとの疑惑が浮上している。マース独外相は16日に地元メディアに対し、ウイルスとの戦いには世界の協力が必要で「独占は許せない」と米国を批判。先進7カ国(G7)の枠組みで、この問題を協議する方針を示した。
 独紙ウェルトなどによると、トランプ政権は非上場の独バイオ医薬品企業キュアバックに対し、10億ドル(約1060億円)程度の資金を提供する代わりに、米国への移転やワクチン独占を求めた。同社の前社長は今月、米国で他の製薬会社幹部とともにトランプ氏と面会している。
 独政府筋はウェルト紙に、ワクチンは欧州全体のための開発を目指しており、「米国だけのため」の試みは問題だと指摘。独政府も同社への資金提供について交渉をしているという。
 同社は15日に声明を発表し、身売りなどを否定。米国のグレネル駐独大使はツイッターで「ウェルト紙の報道は誤りだ」と強調した。 (C)時事通信社