自民党・新型コロナウイルス対策本部長の田村憲久元厚生労働相は、時事通信のインタビューに応じ、感染症対策に取り組む常設機関が必要との考えを示した。主なやりとりは次の通り。
 ―感染状況の評価は。
 ヨーロッパでは想像できないような伸び方で感染が拡大している。それを見ると日本は一定程度持ちこたえている感じはする。一斉休校とイベント自粛の要請は効果があった可能性がある。
 ―休校要請には「驚いた」と話していたが。
 あの時はびっくりしたが、今から思うと世界の潮流と比べて異質なことをやったわけではない。むしろスピード感は一定程度評価される。
 ―政府の経済対策は。
 全く前例のない経済対策が必要だという声が非常に多い。世界の需要が吹っ飛ぶかもしれない。今までは観光業や飲食業などの国内需要だけだったが、自動車や電子部品などの製造業にも影響が出る可能性がある。
 子供がいる家庭への給付金みたいな話もあるが、それも含めすべてを検討の俎上(そじょう)に載せ、何が一番効果的かを考えなければならない。
 ―東京五輪・パラリンピック開催は。
 日本としては実施する気持ちでとにかく準備をしっかりと進めていく。ただ、問題は日本だけではなくなってきている。政府が国際オリンピック委員会(IOC)、世界保健機関(WHO)とコミュニケーションを取り、感染拡大防止策を講じながら日本で五輪をこう開催するという共通認識を持たなければならない。
 ―今回の教訓は何か。
 日本には中東呼吸器症候群(MERS)も重症急性呼吸器症候群(SARS)も基本的に入ってこなかった。それだけに準備が十分にできていなかった。PCR検査の能力を増強し、検査できる場所のリストを作っておくべきかもしれない。
 ―対策組織の必要性は。
 米疾病対策センター(CDC)の日本版かどうかは分からないが、世界の感染症をチェックし、データを分析する。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」のオペレーションは、シミュレーションをしていればもっと良い対応ができたかもしれない。感染症が(国内に)入ってきたときに、どういう体制を取るかを日頃から検討し、いざ入ってきたら実動部隊が動く。常設機関を新設し、今回のこともしっかり分析して対策を考えることが必要だ。 (C)時事通信社