【ワシントン時事】トランプ米大統領は18日、新型コロナウイルス感染拡大による医療現場の物資不足に備えて、朝鮮戦争開戦の1950年に成立した米国防生産法に基づき、民間企業が扱う医療用マスクや防護服、人工呼吸器などを感染症対策に優先的に割り当てるよう求める大統領令を出した。保健福祉省長官に医療物資の流通と配分を管理する権限を与える。
 米国防生産法は、物資の調達や増産、賃金、物価統制に至る幅広い権限を認めている。トランプ氏は大統領令に「医療物資は最も必要とする人に適切に配分されるべきだ」と明記した。記者会見では「私はある意味、戦時大統領だ」と述べ、早期に混乱収拾を図る考えを示した。
 大統領令は、新型コロナの経済対策に盛り込まれた政府主導の支援事業を円滑に進める狙いがある。今回は民間企業に医療物資の国産化を促すことには特段言及していない。トランプ氏はツイッターに「中国ウイルスと戦うために国防生産法に署名した」と投稿。「最悪のシナリオ」になれば、権限を積極的に行使する可能性を示唆した。
 新型コロナ拡大で諸外国は医療物資の確保に向けて輸出規制を強化しており、トランプ政権も国内で増産して安定調達につなげる仕組みを探っている。保健福祉省のアザー長官は「医療用マスクの多くが中国製頼み」と述べ、輸入依存を減らすため国防生産法の活用を求めていた。 (C)時事通信社