【北京時事】中国政府は19日、新型コロナウイルス感染症が最初に発生した湖北省武漢市で、前日の新たな感染者はいないと発表した。武漢の新規感染ゼロは全国集計発表が始まった1月21日以来初めて。中国本土全体でも、新たな感染者は入国者以外では報告されなかった。
 習近平国家主席が1月20日に感染封じ込めを指示し、本格的な対策が始まって2カ月たつのを前に、中国政府は成果をアピールしている。習氏は今月17日、スペインのサンチェス首相と電話会談し、「中国の防疫措置は効果を挙げ、最も困難な段階から抜け出した」と強調した。
 武漢市では患者減少に伴い、体育館などを使った臨時隔離施設が全て閉鎖された。湖北省に全土から4万2000人以上が派遣された医療関係者は続々と撤収している。
 著名な疫学者の李蘭娟氏は中国メディアに「新規感染者が2週間出なければ、武漢では徐々に職場復帰が可能になる」と指摘。「灰が再燃するのを防ぐ」ため、なお警戒を怠らないよう訴えた。
 一方、中国政府は世界への感染拡大に伴い、帰国者らによってウイルスが戻ってくることに神経をとがらせている。水際対策の最重点対象は、延期された全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の開催時期を模索する首都北京だ。中国政府の19日の発表によると、北京に到着した感染者は前日だけで21人。全土の入国者の感染は18日時点で累計189人に上った。
 国の専門家チームトップの鍾南山氏は18日の記者会見で「輸入病例は感染性が強い。少しも気を抜いてはならない」と警告した。北京市政府は19日、一部例外を除き、海外からの渡航者全員を隔離施設で14日間経過観察すると発表。これまでは自宅隔離が認められていた。 (C)時事通信社