新型コロナウイルスの感染拡大では、肺炎を発症した場合、特に高齢者の致死率が高いと指摘されている。高齢者が感染防止のため外出を控えた結果、体力の衰えが進む懸念も生じるが、健康関連の普及・啓発団体は「在宅でもできる運動がある。筋力を増やし、転倒などを防いでほしい」と訴えている。
 政府の2019年版高齢社会白書によると、65歳以上の要介護者らの介護が必要になった主な原因には、高齢による衰弱(13.8%)、骨折・転倒(12.5%)などが入っている。男性より女性の方がこうした要因が多い。
 一方、運動習慣のある高齢者の割合は65~74歳では男性が48.6%に対し、女性は39.8%、75歳以上でも男性43.3%、女性38%で、いずれも女性の方が運動をする割合が低かった。
 公益財団法人「健康・体力づくり事業財団」(東京都港区)は、歩行や椅子からの立ち上がりで必要な太ももの筋肉は50歳以降、年1%ずつ衰えていると説明。「特に高齢者は運動しないと筋力が急激に落ちる。十分な筋力がないまま転倒すると、寝たきりとなってしまう恐れもある」と警鐘を鳴らす。
 同財団は高齢者の脚の筋力向上を重視し、自宅でできる運動をホームページ(HP)上で紹介。椅子に座ったままつま先を上げたり、膝を伸ばしたりする筋力アップの方法を動画で解説している。担当者は「筋力は運動で増やすことができる。外出が難しい状況かもしれないが、自宅で運動を続け、しのいでほしい」と話している。
 公益財団法人「体力つくり指導協会」(同江東区)も高齢者の自宅での運動を推奨している。同協会の主任研究員が書いた本では、膝や腰を回したり、肩の上げ下げを繰り返したりする動作を例示。同協会は「高齢になると体がしっかり動くまで時間がかかる。習慣的に運動を行い、けがの予防につなげてほしい」としている。 (C)時事通信社