新型コロナウイルスの感染拡大が続く米国で、ニューヨークなど主要州が相次いで住民の外出規制や出勤禁止に乗り出した。それ以外の地域でも催し物の中止や企業の在宅勤務、操業縮小が続出。好調な個人消費に支えられてきた景気への打撃は避けられず、国民生活の先行きに不安が高まっている。
 20日に外出規制を打ち出したのはニューヨークのほか、第3の都市シカゴを抱える中西部イリノイ州と東部コネティカット州。19日に発表済みの西部カリフォルニア州を含めると、規制対象州は人口で全米の2割以上、経済規模で同3割超を占める。
 「このパンデミック(世界的流行)のさなかで人命を救うためなら、いかに困難でも行動する義務が私にはある」。イリノイ州のプリツカー知事は20日の記者会見で、住民に規制強化への理解を求めた。
 規制中も食料品店やスーパー、薬局、銀行などの営業は認められ、住民も買い物や散歩で外出することは可能。ただ、娯楽施設や飲食店は軒並み営業できなくなり、劇場などが閉鎖されたニューヨークも観光客がめっきり減った。在宅勤務の増加や買いだめで、スーパーも品薄状態が続いている。
 州レベルでの対応が進む中、トランプ大統領は20日の記者会見で、全米規模での外出・出勤規制について「考えていない」と否定した。慎重姿勢の背景には、規制拡大で経済への悪影響がさらに広がり自身の再選戦略に響くことへの懸念も見え隠れする。
 既に株式相場が下落し、失業保険の新規申請件数も急増するなど、トランプ氏が政権の実績として誇示してきた「株高と低失業率」は崩れつつある。会見では、治療薬をめぐるトランプ氏の楽観論をただした米テレビの記者に「ひどい記者め。無礼な質問だ」と気色ばむなど、いら立ちを隠せない様子だった。 (C)時事通信社