【パリ時事】新型コロナウイルスの感染者が10万人を超えた欧州で、感染拡大を食い止めるため、通勤や必需品の買い出し以外の外出を禁止するなどの措置に各国が踏み切った。ただ、規制の抜け穴を利用して外出する市民が後を絶たない。やむなく規制強化に乗り出す国も現れ始めた。
 フランスでは食料品店や薬局など生活必需品を扱う店以外の全店舗が休業とされたのに加え、17日から「正当な理由」以外の外出が禁止された。しかし「適度な運動」は認められており、禁止令発動後もパリ市内のセーヌ川沿いなどは普段通りジョギングや散歩を楽しむ人々でにぎわった。
 こうした動きを受け、マクロン大統領は19日、「自分や家族を守る措置だと多くの人が理解していない」と怒りを表明。政府報道官は20日、外出禁止措置は15日間の予定だったが延長は「十分あり得る」と警告した。パリ市は、セーヌ川周辺を週末にかけて封鎖。警察当局も違反者の取り締まりを強化すると明らかにした。
 感染拡大が深刻なイタリアでも、外出禁止令違反が相次いでいる。ANSA通信によると、19日までに約6万1000人が当局から出頭を命じられた。ディマイオ外相は20日、フェイスブックに「無責任な誰かが増えるほど、より厳しいルールになる」と投稿。自宅から出ないよう呼び掛けた。
 イタリアに次いで感染者が多いスペインでは、20日までに100人以上が外出禁止令に違反して身柄を拘束された。
 一方、ギリシャでは、AFP通信によれば、20日までの感染者数は495人、死者は8人にとどまる。ミツォタキス首相は17日、「他の欧州諸国よりも早く(店舗閉鎖などの)厳しい措置を決断した」と自賛。政府は難民キャンプで暮らす移民や難民の移動を厳格に制限するなど、新型ウイルスの封じ込めに躍起だ。 (C)時事通信社