【ニューヨーク時事】米国で新型コロナウイルスの感染が広がる中、ニューヨークが感染の「震源地」となっている。感染者は全米の半数を占め、罹患(りかん)率は他の地域の5倍に相当。人工呼吸器など医療物資不足が深刻化しており、患者が増え続ける中、医療現場崩壊の懸念も出ている。
 「ある時点で砕ける波と見ている。問題は砕けた時に保健システムが崩壊するかだ」。ニューヨーク州のクオモ知事は23日の記者会見で、急増し続ける感染者数と医療現場への影響に危機感を示した。ニューヨーク州は今月1日に最初の感染者確認を発表。検査数を増やすと感染確認数が急増し、23日午前には2万875人に拡大した。13%が入院し、そのうち24%が集中治療室(ICU)にいる。
 ホワイトハウス当局者によると、ニュージャージー州などの隣接地域を含むニューヨーク市圏では罹患率が1000人に1人近く、他地域の5倍に当たる。また、検査を受けた人の28%に陽性反応が出ており、他地域の8%未満に比べ高い。当局者は「このレベルに浸透するまでウイルスが何週間にもわたり広がっていたのは明白だ」と語る。ニューヨーク市の感染者は1万2305人と州の半数超だ。
 増え続ける患者に医療現場ではICUの病床、人工呼吸器、マスクなどが不足。使い捨てマスクの再利用や医療従事者の感染も伝えられる。デブラシオ・ニューヨーク市長は23日、地元テレビで人工呼吸器を週内に大量に調達できなければ、「救える命が失われる」と訴えた。クオモ知事は23日、病床を少なくとも50%増やすことを病院に義務付け、退職した医療従事者に復帰も促した。
 一方、全米で医療物資への需要が高まる中、マスクなどを各州が競って入手し合い、値上げを招いている。クオモ知事が「なぜ競い合わなければならないのか」と述べるなど、連邦政府に最近発動した「国防生産法」に基づく介入を求める声も相次いでいる。 (C)時事通信社