【ワシントン時事】新型コロナウイルス感染者が世界最多の米国で、刑務所での感染拡大に懸念が高まっている。28日には感染した受刑者が死亡。司法省は高齢で持病のある一部受刑者の「自宅拘禁」を進めるなど、対応に追われている。
 連邦刑務局(BOP)によると、29日時点で連邦管轄の刑務所に収監されている受刑者19人と刑務所職員19人の感染が確認された。受刑者と接触しない職員が感染したケースもあり、感染経路は必ずしも明らかでないものの、「閉鎖空間」で感染爆発する危険性を示した。
 刑務所内で死亡したのは、麻薬所持の罪で禁錮27年の判決を受け、ルイジアナ州オークデールの連邦刑務所に収監されていた49歳の男性受刑者。19日にせきなどの症状を訴え、翌20日から人工呼吸器が装着されていた。BOPはこの受刑者が「疾病対策センター(CDC)がリスク要因に挙げる持病があった」と説明している。
 こうした情勢を踏まえ、バー司法長官は26日、「(刑務所などの)収容施設を(ウイルスの)培養地にしたくない」として、暴力性が低く、既にかなりの刑期を務めている受刑者を自宅拘禁とする方針を表明した。刑務所職員の労組などはこれに先立ち、施設内での感染拡大防止策を講じるよう司法省に要望していた。
 州レベルの刑務所でも施設内感染の防止が課題となっている。米メディアによると、ニュージャージー州では軽微な罪で服役中の受刑者約1000人の釈放を決定。性的暴行で禁錮23年の判決を受けた後、ウイルス陽性と診断された大物映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン受刑者は、収監先のニューヨーク州の刑務所で隔離された。 (C)時事通信社