【北京時事】中国で、新型コロナウイルスの無症状感染者から感染した可能性の高い例が確認され、不安が広がっている。中国では無症状感染者は統計上、感染者として扱われていない。30日の中国政府の発表では、最初に感染が拡大した武漢市を含む湖北省の新規感染者は6日連続ゼロ。中国本土全体でも海外からの入国者を除けば30日公表の新規感染者は1人にとどまるが、公式発表を疑う見方は根強い。
 29日の河南省政府の発表によると、28日に感染が確認された同省※(※サンズイに累)河市に住む女性(59)は無症状感染者と食事を共にするなどしていた。この無症状感染者は、別の無症状感染者からうつされていたもようだ。
 中国では検査で陽性反応が出ても、発熱やせきなどの症状がなければ「病原体を広げる確率は低い」という理由から感染者として公表されていない。
 しかし、この基準を疑問視する見方は多く、中国版ツイッター「微博」には「役人が事実を隠し、データをごまかしている」などと書き込まれた。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによれば、中国の無症状感染者は2月末時点で4万3000人以上に上る。
 感染者をめぐる統計に対する疑念の高まりは、習近平指導部も意識している。国営中央テレビによると、李克強首相が30日に主宰した会議は「感染者ゼロの報告を追求して隠蔽(いんぺい)することを許さない」との認識を共有し、無症状感染者の徹底した隔離や情報公開を行う方針を確認した。李首相は26日にも情報公開を指示した。 (C)時事通信社