タレントの志村けんさん(70)の命も奪った新型コロナウイルス。「危機感が増した」。お茶の間で親しまれていた著名人が亡くなり、高齢者らは改めてウイルスの危険性を実感している。
 静岡市老人クラブ連合会によると、感染拡大防止策として、市内のクラブでは不要不急の会合を自粛し、地域での活動を見合わせている。総会も書面で済ませるケースが多く、他人との接触を避けているという。事務局長の内田篤さん(69)は「これまでの警戒レベルは、決して高くはなかった」と認めた上で、志村さんの死去が「(高齢者らの)自覚を促したのではないか」と話す。
 お年寄りの街として知られる東京・巣鴨。行き交う人はいるが、商店街関係者は「感染拡大前と比べると、3分の1から4分の1」と説明する。
 仕事帰りの埼玉県坂戸市の女性(81)は志村さんの死去について、「まさかと思った。コロナは怖い」と表情を引き締めた。予防として手洗いやうがいをこまめに行っているという。
 志村さんの出身地、東京都東村山市の通所型デイサービスで働く男性職員(52)は「今までは人ごとだったが、身近な人の死で一気に危機感が増した。利用者も『自分より若いのに』とショックを受けている」と声を落とす。
 施設では検温や手洗いを徹底し、職員にも人混みを避けるよう指導しているが、マスクや消毒薬の在庫は少ない。「予防のため」と1カ月近く利用を休止している高齢者もおり、男性は「機能訓練が元のもくあみ。感染と同じくらい筋力や体力の衰えが心配だ」と危機感をあらわにした。 (C)時事通信社