新型コロナウイルスの対策を検討する政府の専門家会議は1日、「都市部を中心に感染者が急増している」との現状分析を公表した。患者の爆発的増加「オーバーシュート」は見られないが、特に東京都や大阪府で患者が増え、感染源が分からない例も増加していると指摘。東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫の5都府県は医療提供体制が既に切迫しているとして、抜本的な対策を講じるよう求めた。
 同会議の尾身茂・副座長は、5都府県では医療提供体制を「きょう、あすにも」強化するよう要望し、対策を進めなければ「オーバーシュートの前に医療崩壊が起こる」と訴えた。軽症者の入院継続が病床不足を招いているため、自宅療養や宿泊施設の用意も必要とした。
 同会議は、大規模流行が起きている欧米などで感染した疑いのある患者らが、3月22、23日ごろに全体の4割近くを占めた後、入国制限などを経てやや減少に転じたと分析した。
 国内では、若年層だけでなく中高年層も患者集団「クラスター」を作っていると分析し、クラスターは病院、高齢者施設、海外への卒業旅行、夜の会合、合唱、ダンスサークルなどで見られるとした。
 同会議は各地域を、東京や大阪など直近の1週間で感染者が大幅に増えている「拡大警戒地域」、増加が一定程度に収まっている「確認地域」、感染者が1週間確認されていない「未確認地域」に区分。警戒地域では外出や10人以上が集まるイベントへの参加を避け、確認地域でも屋内で50人以上が集まるイベントへの参加を控えるよう求めた。また、いずれの地域でも「換気の悪い密閉空間」「人の密集」「近距離での会話」の3条件が重なる場を徹底して避けるよう要請した。
 休校に関しては「現時点で、子どもは地域で感染拡大の役割をほとんど果たしてないと考えられている」と分析。ただ警戒地域では、子ども自身の感染を防ぐため一斉休校も検討すべきだと提言した。 (C)時事通信社