【ワシントン時事】新型コロナウイルス対策で一般人のマスク着用を「不要」としてきた米政府が、対応の見直しについて検討を始めた。米国内で感染が急激に拡大する一方、日本や韓国などマスクが普及するアジア諸国で比較的感染拡大が抑えられていることが背景にある。
 政府対策チームのアダムズ軍医総監は2月、「マスクを買ってはいけない。一般人にとってコロナウイルスを予防する効果はない」と言い切っていた。政府が使用を推奨してこなかったのは、米国人にそもそもマスクを使う習慣がない上、買い占めを招いて品薄になれば、医師ら医療従事者を「危険にさらす」という理由からだ。
 だが、国内の感染が急速に広がって以降、風向きが変わった。専門家は「多数の人がマスクを着用すれば、感染拡大の速度を緩める効果がある」(ゴットリーブ前食品医薬品局長官)と注目。「一般人には不要」とする政府の説明に対しても「マスクに効果がないと言うなら、なぜ医師には必要なのか」と国民から矛盾を問う声が出始めた。
 疾病対策センター(CDC)は一般人のマスク着用に関する指針見直しの検討に着手。ワシントン・ポスト紙が報じた内部メモによると、広範なマスク普及は米国では文化的に難しいとしつつ、「口や鼻をふさぐ簡単な布製マスクでも、ウイルスの拡散を防ぐことができる」と、その効果を認める意見をホワイトハウスに伝えたという。 (C)時事通信社