【ニューヨーク時事】新型コロナウイルス感染者が急増し続けるニューヨーク市で、人工呼吸器などの医療物資や医療従事者が枯渇する寸前になっている。市は1週間以上前から「5日までに支援が必要」と訴えてきたが、直前になっても確保できておらず、焦りを募らせている。
 「来週の準備ができていない」。デブラシオ・ニューヨーク市長は3日、地元テレビで訴えた。3月1日に初の感染確認が発表されたニューヨーク州では4月3日に感染者が10万人を超えた。その半数超をニューヨーク市が占める。
 入院が必要なのは感染者の2割とされ、感染拡大に伴い、医療現場の負担も拡大し続けている。ウイルスを防ぐマスクや防護服の不足は慢性化し、医療従事者にも感染者や死者を出している。
 市が喫緊に確保を急いでいるのが人工呼吸器と応援の医療従事者だ。市によると、5日までに必要なのは、人工呼吸器2500~3000台と、看護師1000人、医師150人、呼吸療法士300人。市長は今後迎えるピークに備え、物資不足が深刻になる5日を作戦開始日を表す「Dデー」と呼んで支援を求めてきた。
 一方、5日を乗り切ってもピークの前後に当たる4~5月を耐えるには一層の支援が必要だ。市の通常時の病床数は約2万床だが、ピーク時には追加で6万5000床必要。それに対応してさらに4万5000人の医療従事者も必要になる。
 全米から医療従事者が支援に駆け付けているが、患者は増え続けており、デブラシオ市長は3日の会見で、今は「戦時」として、全米の医療従事者を連邦政府が「招集」するよう求めた。市長はMSNBCテレビでも「今動けば生きられる人たちがいる。動かなければ、まず数百人、そして数千人が命を失うだろう」と連邦政府に警告した。患者が増え続ける中、医療物資と人員の確保は時間との闘いになっている。 (C)時事通信社