【ロンドン時事】アフリカで新型コロナウイルスの感染が急増し、拡大阻止のため外出禁止や都市封鎖などの措置を取る国が相次いでいる。アフリカは貧困層が多く、移動制限による市民生活への打撃は一層深刻だ。「コロナ禍」がアフリカの社会経済に及ぼす甚大な影響が懸念されている。
 アフリカ連合(AU)の3日時点のまとめによると、アフリカの感染者は50カ国で計7000人以上、死者280人以上。欧米と比べ少ないものの、1週間前の先月28日時点(感染者約4000人、死者約120人)より大幅に増えた。
 感染者が最多の南アフリカは、「破滅的状況」(ラマポーザ大統領)を回避するため先月下旬から全土で罰金制の厳しい外出規制を導入。最も人口の多いナイジェリアでは首都アブジャや商業都市ラゴスが封鎖され、比較的感染者の少ないルワンダなどでも厳格な外出禁止令が発動された。
 経済活動が実質停止される移動制限は、貧困層にとって死活問題だ。社会保障の整備が不十分な中、封鎖措置による収入減や失職は生活の困窮に直結する。経済的に追い詰められる人が相次ぎ、ルワンダでは営業停止となったバイクタクシー運転手が取り締まりに抵抗し、警官の発砲で死亡する事件も起きた。
 また、スラムでは狭いスペースに大人数がひしめき合って暮らしており、衛生事情が悪い中、大勢が長時間1カ所に押し込められることで病気が広まる恐れも指摘される。南ア・ヨハネスブルク近くの旧黒人居住区に住む女性はメディアの取材に「私たちには選択肢がない。(感染や処罰のリスクがあっても)外に出るしかない」と述べた。
 英紙フィナンシャル・タイムズのアフリカ部長デビッド・ピリング氏は同紙電子版で、「貧困国ではロックダウン(都市封鎖)は病気そのものより悪い結果をもたらす可能性がある」と警告する。各国政府は感染制御と規制による影響の両面から効果的な対応を迫られている。 (C)時事通信社