新型コロナウイルスの感染者急増に歯止めがかからず、政府が緊急事態宣言に踏み切るかが焦点になる中、自衛隊は感染拡大に伴う新たな災害派遣要請に備え、全国の都道府県の新型コロナ対策本部と連絡を取れる態勢を敷いている。東京都などには6日までに、自衛隊員を連絡員として派遣した。
 河野太郎防衛相は6日、記者団に緊急事態宣言が出た場合の対応について、「自衛隊は都庁をはじめ必要な都道府県の対策本部に連絡員を出している。知事からの派遣要請があれば対応できるかどうか検討して行う」などと述べた。
 防衛省は成田空港の検疫支援などの水際対策強化で自衛隊を自主派遣しているが、今月に入り自治体からの災害派遣要請が相次いでいる。宮城県の要請で4日から自衛隊の医官らがPCR検査の支援を仙台市で実施。3日には長崎県の要請で、新型コロナに感染した患者を壱岐市からヘリコプターで輸送した。
 自衛隊などによると、東京都庁には首都を担当する陸自第1師団(東京都練馬区)から隊員を派遣。北海道庁にも北部方面総監部(札幌市)から派遣し、支援ニーズなどについて情報交換しているという。
 内閣官房によると、緊急事態宣言の根拠となる改正新型インフルエンザ対策特別措置法には自衛隊の活動は規定されていない。しかし、爆発的感染増加が起きた場合、医療崩壊を避けるために軽症の感染者の宿泊施設への移動、緊急物資の輸送支援など自衛隊法に基づく災害派遣要請も予想される。
 一方、緊急事態宣言が出された場合の「都市封鎖」が取りざたされているが、定義が不明な上、外出自粛は要請ベースで強制力はない。別の法律の感染症法では都道府県知事が、病原体に汚染された場所を消毒するため最長72時間、交通を制限・遮断することは可能だが、広域的に人の動きを止めることは想定されていない。
 河野防衛相は3日の記者会見で、緊急事態宣言が出た場合の対応に関連し、「自衛隊が都市封鎖に関わることはない」と強調した。 (C)時事通信社