改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく緊急事態宣言により、新型コロナウイルスまん延防止のため、都道府県知事には施設の使用停止やイベント中止を要請する権限が与えられる。ただ、強制力は伴わず、欧米で行われている「都市封鎖(ロックダウン)」のような措置が取られることはない。
 安倍晋三首相は6日、首相官邸で記者団に「海外のような都市の封鎖を行うことはしないし、必要もないというのが専門家の意見だ。公共交通機関も動く」と明言した。
 改正特措法によると、宣言発令後は、対象地域に指定された都道府県の知事が「生活の維持に必要な場合」を除く外出の自粛を要請することができる。これまでも一部地域の知事が外出を控えるよう呼び掛けてきたが、発令後は法的根拠が伴うことになり、政府内には実効性を高める効果を期待する声がある。
 知事は、施設使用とイベント開催の制限や停止・中止を要請し、公表することも可能になる。対象は学校や映画館、ホテルなど多岐にわたり、正当な理由がなく応じなければ、より強い「指示」に切り替えることができる。
 これらの要請、指示に罰則や強制力はない。西村康稔経済再生担当相は6日の衆院決算行政監視委員会分科会で、発令後の対応について「スーパーや金融機関は動く。カフェやレストランも基本的に営業していただくと判断している」と説明。「散歩やジョギングも許される」とも語った。
 特措法には、知事の要請などに応じて被った損害に対する補償の規定もない。野党からは、事業活動を縛る以上は、何らかの経済的手当てが必要だとの指摘が出ている。
 一方、宣言に基づく強制的な措置としては、臨時医療施設を開くための土地・家屋の使用がある。求めに従わない場合、知事は所有者の同意なしに土地などを使うことができる。立ち入り検査を拒むと30万円以下の罰金の対象だ。
 医薬品や食品などの特定物資の売り渡しを事業者に要請し、応じない場合に収用することも可能で、隠匿には30万円以下の罰金が科される。
 一方、東京都の小池百合子知事が言及した「ロックダウン」には、明確な定義や法的根拠がない。感染症法は72時間以内の交通制限を規定しているが、消毒が目的。政府は強制的な交通遮断や外出禁止はできないとの立場だ。 (C)時事通信社