新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本国内各地では緊急事態宣言に基づいて学校の休校が続く。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の7日現在の集計によると、学校閉鎖を全土で行っている国・地域は180以上。全世界の児童・生徒の91.3%に当たる約15億7600万人が授業を受けられていない。
 ユネスコは、学校閉鎖について「多くの子どもが栄養摂取を学校給食に頼っているが、それが難しくなる」「貧困家庭には十分な通信環境がなく、オンライン学習で不平等が生じる」といった問題を警告している。
 ◇アップルが協力
 米国内で一番多い感染者・死者を抱えるニューヨーク州。公立学校に全米で最多の110万人の児童・生徒が通うニューヨーク市は、3月23日から一斉に遠隔学習を始めた。自宅からインターネット上に配信された授業のビデオを見たり、教師が投稿した課題やテストを指定時間までに提出したりしている。
 だが、すべての児童・生徒にパソコンなど端末が行き渡っているわけではない。学校が既に貸与した17万5000台に加え、市教育局はアップル社などの協力を得て、最大30万台のタブレット端末の貸し出しを急いでいる。
 低所得地域の学校では遠隔学習への参加率が低いところもある。裕福な世帯が多い学校では100%近い生徒が参加しているといい、学力格差が一段と開きかねないと懸念する声も上がる。
 ◇成績評価せず
 3月上旬以降に一斉休校に踏み切った欧州各国でも遠隔授業を行ってきたが、感染者の増加ペースが鈍化し始めたことで再開のタイミングが焦点となりつつある。
 デンマークは6日、感染封じ込め措置解除の第一歩として学校や保育所を15日から再開すると発表した。ただ、仕事を持つ保護者の負担軽減が主眼で、対象は11歳の学年までに限定。フレデリクセン首相は「綱渡りのようになる」と慎重に進める構えだ。
 一方、オーストリアも一部店舗の営業再開など14日からの段階的な封じ込め措置解除を表明したが、学校は5月中旬まで引き続き休校とし、対応が分かれた。授業中の発言が重視されるドイツでは、一部の州で休校期間中は成績評価しないことを決めるなど、教育現場も手探りが続く。
 ◇2カ月半ぶり登校
 先祖の墓参りをする「清明節」の連休が明けた中国では7日、河南省や福建省など9省・自治区で約2カ月半ぶりに高校3年生が登校。若者の人生を左右する全国大学統一入学試験「高考」が例年から1カ月遅れの7月7、8両日に実施されることが決まったのを受け、まずは受験生優先で授業を再開させた。
 1月の春節(旧正月)連休中に感染が急拡大した中国では、連休の延長という形で全国の小中高、大学が休校。3月中旬以降、新規感染者ゼロが続く地域で徐々に授業が再開される一方、入国者の感染確認が相次ぐ大都市を中心に再開のめどは立っていない。
 ◇日本人学校も休校
 欧米に比べ感染規模が小さい中東でも休校措置が続く。財政余力のある湾岸諸国では、24時間の外出制限が敷かれたドバイがあるアラブ首長国連邦(UAE)がネットを使った遠隔授業を強化。長引く紛争で教育インフラが被害を受けたシリアやリビアなどでも休校を強いられているが、代替の教育機会は乏しい。
 中東最大の人口を抱えるエジプトは3月15日から2週間の休校を開始、首都カイロの日本人学校も休校となっている。国際航空便の運航停止で派遣教員が赴任できないでいる。 (C)時事通信社