【北京時事】中国共産党・政府は8日、世界で最初に新型コロナウイルスの感染が拡大した湖北省武漢市の封鎖措置を約2カ月半ぶりに解除したものの、楽観的なムードを戒めている。初動の遅れで批判を浴びた習近平国家主席にとって、感染の再拡大を許せば、政治的に大きな打撃となりかねない。海外からの入国者や無症状感染者の対応が焦点となっており、国営中央テレビによると、習氏は8日の会議で「外国からの(感染の)流入防止」や「無症状感染者に対する的確な管理」を指示した。
 8日の中国政府発表によると、武漢市で累計5万8人が新型コロナに感染、うち2572人が死亡した。感染者は中国全体の6割以上、死者は8割近くを占める。統計に含まれない感染者や死者も多いとみられ、一時は医療崩壊の状況に陥り混乱が広がった。しかし、2月中旬に感染の勢いがピークに達した後、3月19日の発表以降は新規感染者がゼロとなる日が目立つようになり、封鎖措置の解除につながった。
 すでに経済活動は動きだしており、武漢市の胡亜波・常務副市長は5日の記者会見で、同市にある年間売上高2000万元(約3億1000万円)以上の工業企業の97.2%が活動を再開したと述べた。胡氏は「生産活動の再開は予想以上に早く、良い状況だ」と強調した。
 ただ、市民の外出には健康状態の確認などが必要で規制が続いている。人の移動と経済活動の再開により、感染が再燃する恐れが残っているため、習指導部は警戒を強めている。
 8日の発表によると、中国内で確認された62人の新規感染者のうち59人が海外からの入国者。国家衛生健康委員会の米鋒報道官は8日の記者会見で、「入国者の割合が増え続け、関連して(新たに)感染者が出ている」と述べ、入国者による感染の拡大に懸念を示した。
 また、4月1日から全国集計で公表されるようになった新規の無症状感染者は累計601人。8日発表分は137人でこれまでで最多を記録した。8日付の共産党機関紙・人民日報は無症状感染者の存在が「ウイルス対策に複雑さと不確実性を増している」として、対策を緩めないように訴えた。 (C)時事通信社