【ベルリン、ワシントン時事】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は8日、ジュネーブで行った記者会見で、トランプ米大統領が「WHOは中国寄り」と批判したことを受け、「新型コロナウイルスの政治化はしないでほしい。必要なのは団結だ」などと感情をあらわに十数分にわたって熱弁を振るった。
 WHOに対しては、中国への配慮でパンデミック(世界的流行)認定が遅れたなどとして厳しい視線が向けられている。トランプ氏はテドロス氏の会見後、「彼らは脅威をひどく過小評価した」とWHOを改めて非難し、拠出金の停止を示唆。米国とWHOの対立が深まっている。
 テドロス氏は、数万人の死者が出ている状況で「誰かをなじって時間を浪費すべきでない」と指摘。米中が協力し、リーダーシップを発揮すべきだと語気を強めた。
 エチオピア出身の自身への差別的な攻撃が続いているとも言及。自らのツイッターアカウントのコメント欄などで「罵倒や差別発言を受ける」状況が2~3カ月続いているとし、殺害の脅迫もあったと訴えた。それでも、「人が亡くなっている状況で、自分への攻撃を気にするべきだろうか」と語り、「命を救うことに集中する」と強調した。
 これに対しトランプ氏は8日の記者会見で、「すべての国が適切に扱われるべきなのに、そうではない」と主張し、WHOが中国寄りだと重ねて非難。拠出金停止に関し「調査を行い、どうするか決定する」と述べた。 (C)時事通信社