国際データベースに登録された160例の新型コロナウイルスの全遺伝情報(ゲノム)を解析したところ、変異パターンが3種類に大別されることが分かったと英ケンブリッジ大などの研究チームが9日発表した。論文が米科学アカデミー紀要電子版に掲載された。
 変異パターンが病状や感染力に関与していれば、最適な治療法を探ったり、ワクチンを開発したりする上で役立つ可能性があるという。
 新型コロナウイルスはもともとコウモリが宿主とみられる。ウイルスのリボ核酸(RNA)の塩基配列について、変異パターンをABCの3種類に大別すると、中国のコウモリに近いAは中国や日本の感染者でも見つかったが、米国やオーストラリアの感染者が多かった。
 Aから変異したBが武漢市を中心として中国や近隣諸国で爆発的に増えたとみられ、欧米などに飛び火した例は少なかった。Bから変異したCはイタリア、フランス、英国など欧州で多かった。
 ただ、解析したのは昨年12月下旬から今年3月初めまでに感染者から採取され、国際データベース「GISAID」に登録されたウイルス。その後、感染者が世界的に急増しており、ABCのパターン別分布は変化している可能性がある。
 また、感染者から採取した初期のウイルスでさえコウモリから大きく変異していた。人に感染して重い症状を引き起こすようになった過程を探るには、昨秋以前の感染例を見つけるか、コウモリと人の間の中間宿主のウイルスを解析する必要があると考えられる。 (C)時事通信社