新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を受け、東京都の休業要請の詳細が10日、発表された。「営業できることになってほっとした」「罰則がないなら店を続けたい」。業種によって明暗が分かれる結果になり、都内の経営者らからはさまざまな声が聞かれた。
 漫画喫茶「まんがの図書館ガリレオ」(世田谷区)のオーナー上関久美子さん(44)は「8日から既に休業に入っていたので、正式に休業要請対象と決まったのは良かった」と話した。店のテナント料は1カ月約80万円で、都の協力金50万円では足りない。「売り上げは過去最大のピンチだが、お客さんに家にいてもらうためには、自粛以外の選択肢はない」と声を落とした。
 都内のあるバーは緊急事態宣言の数日前に看板をしまい、弁当の販売を始めたが、売り上げは以前の半分になった。男性店長(34)は看板を出さずに常連客相手の営業を続けることを検討しており、「都は午後8時以降の営業自粛を要請しているが、罰則はない。今は少しでも売り上げが欲しい」と話す。
 一方、理容室や銭湯は「社会生活維持に必要」として休業要請対象から外れた。創業65年の「荒川理容店」(杉並区)店主荒川修さん(55)は、「理美容は人の生活に必要なもの。もし休業対象になっても常連がいる限り続けるつもりだったが、営業を認めてもらえてありがたい」とほっとした様子で話した。
 台東区内で銭湯を経営している男性は「常連客は70代が多く、自宅で一人で入浴するのが怖いという人もいる。銭湯も生活に欠かせないインフラのようなものだ」と話し、都の決定を歓迎。「お客さんからは『営業してくれてうれしい』という声が届いている」といい、今後も衛生対策を徹底しつつ営業を続けるつもりだ。 (C)時事通信社