新型コロナウイルスの影響で、東京の風景は一変した。若者があふれる街並みや、にぎわいを見せていた商店街の面影はない。都による休業要請がなくても、一時的にシャッターを下ろす店舗も多く、華やかさを急速に失いつつある。
 ファッション文化発信地として知られるJR原宿駅近くの竹下通り(渋谷区)。10日午後、臨時休業を知らせる貼り紙があちこちに見られた。6割以上の店舗が閉まっており、人波が消えた街では道路のくすんだ灰色が目立つ。
 カフェの呼び込みをしていた女性は「いつもは満員電車みたいに道が人で埋め尽くされているのに」とつぶやいた。韓国から来た女性(21)は「あんまりお店がやっていない」と、買ったクレープをひたすら食べていた。
 「土日の営業を取りやめた」。上野・アメ横商店街(台東区)にある食料品店の男性従業員は力なく話した。雑貨店などがひしめき合うように軒を連ねるが、人影はまばら。店員のかけ声だけが響いていた。
 関東有数の長さを誇る戸越銀座商店街(品川区)では大半の店が営業していた。休業要請の対象外であるパン店を営む佐藤元昭さん(73)だが、表情はさえない。3月中旬以降の売り上げは前年比で4割程度減ったといい、営業継続は「成り行きを見ながら考える」。同様の境遇に置かれる食肉店の店長、中村正敏さん(52)は「常連さんが来てくれるからという義務感で、店を開け続けている」と語った。
 同商店街事務局によると、平日の人通りは通常時の3分の1、週末は5分の1に落ち込んでいる。休業要請の対象となったパチンコ店から出てきた女性(82)は「中はガラガラ。閉めてもいい」と話した。 (C)時事通信社