新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、緊急事態宣言が発令された日本でも、「ソーシャルディスタンス(他者との距離)」の確保が本格的に求められるようになった。「行列せず、2メートルの距離を取る」(小池百合子・東京都知事)のが理想だが、定着しているとは言えない。握手やハグが一般的な海外でも模索が続いている。
 ◇エコバッグも使用禁止
 全米50州でいち早く住民の外出制限措置に踏み切ったカリフォルニア州。生活に必要な買い物や運動は認められているが、他人と約1.8メートルの距離を取ることが求められており、当局の措置に違反した場合は罰金や禁錮刑の対象になる。
 スーパーでは店内が混雑しないよう入店者数を制限、レジ係と客の間に透明な板を設置する店も増えている。店舗によっては、持参したエコバッグの利用は禁じられ、レジ係の女性はポリ袋に商品を詰めながら「お客さんの持ち物(エコバッグなど)に触っちゃいけないのよ」と話した。
 ◇2度目は罰金倍増
 新型ウイルスに感染し、ロンドン市内の病院で一時集中治療を受けていたジョンソン英首相が国民に命じたのは「家にいなさい」だ。英国では公の場での3人以上の集まりや公共交通機関での不要な移動が禁じられている。買い物などに行く場合は、他の人と2メートルの距離を空ける必要がある。
 一連の規制に違反した場合は罰金の対象となる。1回目は60ポンド(約8000円)で、2回目からは倍増。運動と称して公園やビーチに集まったり日光浴したりする人も多く、政府は規制無視が続く場合は公園閉鎖も辞さないと警告している。
 ◇「守らないと店閉鎖」
 13億人超が暮らすインドではもともと、人々が行列する際、互いに体が触れあうほど近づいて立つ習慣がある。モディ首相は3月24日の演説で「新型ウイルスと闘う唯一の方法は、互いに距離を置くことだ」と国民に訴えた。
 翌25日からは全土で3週間の外出禁止措置を開始し、市民同士が接触する機会を減らした。生活必需品を取り扱う店舗の外には、地面に1~1.5メートル間隔で描かれた目印が記され、市民が目印に沿って並んでいる。首都ニューデリーのスーパーの店員は「警官が巡回しており、入店制限が守られていないと店舗が閉鎖される」と話し、客に順守を呼び掛けていた。 (C)時事通信社