新型コロナウイルスの感染拡大に伴い発令された緊急事態宣言は、12日投開票の大阪府茨木市長選挙にも大きな影響を与えた。公務を離れられず選挙活動の中断を余儀なくされた現職と、知名度アップを図ろうにも思うように有権者との距離を縮められない新人。かつてない状況下での選挙戦に、両陣営とも手応えをつかめない苦悩をにじませた。
 現職と新人の一騎打ちとなった同市長選。緊急事態宣言は、選挙戦半ばの7日に発令された。
 無所属現職の福岡洋一氏(44)は、発令直後から市民への影響の確認など公務に追われ、選挙活動を2日間中断。録音した演説を宣伝カーで流すなどして対応した。
 現職として、外出自粛を自ら呼び掛ける立場。駅前の雑踏を避け、9日の活動再開後は団地などで在宅者向けの演説に力を注いだ。福岡氏は「感染リスクのある中で投票をお願いしているので、大変心苦しい」と話す。
 一方、大阪維新の会公認の寺元博昭氏(58)は、発令翌日も感染防止に配慮して市内の主要駅周辺を歩いた。新人候補にとって一番の懸念は知名度不足。閑散とする商店街でも、人の出入りが多いスーパー前で有権者に政策を訴えた。
 握手を肘同士の「肘タッチ」に代え、街頭演説を減らしてインターネット交流サイト(SNS)でのアピールを強化した。それでも、「話を聞いてもらえれば政策の中身を伝えることができるのに、出歩く人も少なく、集会もできない」と危機感を表した。 (C)時事通信社