新型コロナウイルスの感染拡大を受け、7都府県に緊急事態宣言が発令されてから初の週末を迎えた。東京・上野のアメ横商店街(台東区)や周辺の繁華街は11日、土曜日にもかかわらず多くの店がシャッターを閉め、かつての活況は見る影もなかった。
 商店街のメインストリートでは、鮮魚店や土産物店の多くが「休業」の張り紙を残して閉店。宣言前の通りは埋め尽くすほどの人混みだったが、今はハトが降り立ち、地面をつつく様子が見られた。
 雑貨店や化粧品店の中には「マスク入荷」と書かれた看板を掲げている店舗も。中華料理の屋台の店員は、おもむろに引き出しからビニール包装のマスクを出し、「50枚で3050円」と売り込みを始めた。
 革製品店を営む千葉速人さん(65)は「通常の1割くらいしか来ていない」とこぼす。「店によっては『マスクしか売れない』と話す人もいる」と苦笑しつつ「緊急事態が終わったらアメ横はどうなっているのか想像もつかない」と声を落とした。
 午後8時、上野駅に程近いガード下の天ぷら居酒屋「かっちゃん」はのれんを下ろし、この日の営業を終えた。通常は午後10時まで開いているが、東京都の要請に従い閉店時間を早めた。
 店長の小松活也さん(36)は「きょうの売り上げは5分の1。街全体が暗く、暇で時間が長い」と諦めの表情。「営業すること自体に罪悪感はあった」としつつも「常連客も来てくれる。できる限り店を開け続けたい」と力を込めた。 (C)時事通信社