【ベルリン時事】新型コロナウイルスの感染拡大を受け、欧州各国が協力し、一部アジア諸国と同様にスマートフォンを活用して感染者との接近をユーザーに知らせる「コロナアプリ」の試みが始まりつつある。ただ、欧州諸国は個人情報に敏感なだけに、感染者との接近履歴のみを記録する仕組みになる。
 独仏伊など欧州8カ国の企業家や研究者が共同で進めているのが「PEPP―PT」計画。この計画で開発されたアプリはドイツ連邦軍が試験的に使用しており、今月半ばにも一般利用が可能になる見通しだ。
 アプリ利用は任意で、ブルートゥース(無線通信)機能を通じ、他ユーザーと一定距離内に近づいた履歴を記録。後にユーザーから感染者が出た場合、接近した他ユーザーに通知が行く仕組みだ。ユーザーは暗号化されたIDで識別され、接近歴もクラウドでなく端末に保存される。
 IT企業が次々とアプリを開発している韓国では、感染者の移動履歴などが公開され、プライバシー保護が課題となっている。PEPP―PTの開発責任者、クリス・ボース氏は「位置情報は不要で、集めない」と強調。接近歴が個人の端末に保存されるだけで、プライバシーは保護されると主張している。
 利用者側の期待は高い。独フォークス誌の世論調査では53%が「アプリをダウンロードする」と回答し、「しない」の44%を上回った。 (C)時事通信社