首都圏の鉄道路線でも特に激しい通勤ラッシュで知られるJR総武線では13日朝、乗客同士の体が触れない程度に混雑が緩和されていた。新型コロナウイルスの拡大に伴う緊急事態宣言から1週間。政府が対象地域の全事業者に出勤者の最低7割削減を呼び掛ける中、東京都内の通勤風景は一変していた。
 いつもなら通勤客でごった返す千葉県習志野市のJR津田沼駅。午前7時28分、都内に向かう各駅停車の前から6両目に乗ると、座席はほぼ埋まっていたものの、立っている乗客はほとんどいなかった。その後次第に混み始め、座っている人と立っている人が同程度に。ほぼ全員マスク姿で、着用していなかった30代くらいの男性はおもむろにかばんの中から新しいマスクを取り出した。
 立っている人の大半はつり革をつかまず、両足でバランスを取っていた。手袋やハンカチ越しにつり革を持つ人も。最も混雑した区間でも乗客同士の体が触れ合うことはなく、8時27分の新宿駅到着時には、車両内の乗客は9人に減っていた。
 新宿駅西口地下広場も人はまばらだった。さいたま市の40代男性会社員は「あしたからテレワーク。部下は全員始めており自分で最後。荷物を取りに来た」と話し、急ぎ足で勤務先に向かった。建設会社に勤める男性(33)は7割の出勤者削減要請について、「現場から電話が来るし、難しい」と諦め顔だった。
 昼食時のJR新橋駅周辺は閉まっている店が多く、入れる店を探して歩き回る人もいた。定食屋「八京」を営む佐藤奉庫子さん(76)は「売り上げは10分の1に減った。補償があるか不安だ」と心配そうに語った。
 JR東日本によると、緊急事態宣言後の4月8日からの3日間で、朝の通勤時間帯に山手線を利用した人は前週から約35%減少。2月初旬と比べると約60%減った。東京メトロ全線では10日朝の通勤時間帯で、前年と比べ最大約68%減少した。 (C)時事通信社