【パリ時事】フランスのマクロン大統領は13日、テレビを通じて演説し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて3月17日から実施している外出制限措置について、少なくとも5月11日まで延長すると発表した。イタリアも同様の措置を5月3日まで延長する。一方でスペインは、3月末以降禁止していた「不要不急の経済活動」の一部を再開した。欧州内で対応が分かれた。
 フランスの新型ウイルスによる死者は13日時点で約1万5000人に上る。ただ、24時間ごとに集計される新たな感染者数は減少傾向にあり、マクロン氏は「われわれの努力によって状況は好転している」と外出制限の効果を強調した。しかし「感染拡大はまだ制御できていない」と認め、延長に理解を求めた。
 ただ、3月16日から続く一斉休校に関しては「保育園から高校までは5月11日以降徐々に再開する」と宣言した。今は可能な限りの在宅勤務が命じられている就労も「労働者の安全を確保した上で」段階的に制限を解除する考えを明らかにした。
 死者が2万人を超えたイタリアでも、コンテ首相が「難しいが必要な決断だ。政治責任は私が取る」と述べ、外出制限延長を表明した。「これまでの努力を水の泡にするわけにはいかない」と強調し、5月3日以降の対応は慎重に判断する方針を示した。
 対照的に、米国に次いで被害が深刻なスペインでは13日、一部経済活動が再開された。サンチェス首相は、休業で大幅に落ち込んだ国内経済を早急に回復させたい考えだ。
 しかし、スペイン議会は9日、非常事態宣言の26日までの延長を認めたばかり。感染拡大のリスクが拭えない中、建設業や製造業は仕事を再開する一方、なお「不要不急」と見なされた多くの店やレストランは閉まったままだ。ちぐはぐな対応にも見える就業再開に、野党は「国民の安全を軽視している」と批判を強め、国民一丸の感染対策に亀裂が生じている。 (C)時事通信社