新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言から1週間。大都市の都心部では多くの百貨店や飲食店が営業を取りやめ、「まるでゴーストタウン」の声も。一方で、住宅地に近い商店街では、自宅周辺で過ごす人々が集まり、売り上げが伸びた店もあった。
 「臨時休業」の貼り紙が目立つ東京・銀座。通りに人影はほとんどなく、高級ブランド店ではショーケースや棚から商品が引き払われ、店頭で広告動画だけが繰り返し流されていた。飲食店に卸す食材や酒を積んだトラックも姿を消し、通りは閑散とした様子。ジュエリー販売店の40代の女性店長は「まるでゴーストタウンだ」と肩を落とした。
 バーの看板に「アイスコーヒー 喫煙可」と手書きした紙を貼り付けていた男性店長(70)は、14日から「喫茶店」として昼の営業も始めた。常連客は周辺に勤務するサラリーマンがほとんどで、来店を促すメールを出しても「在宅勤務になったから行けない」と返信が届いた。
 県独自の緊急事態宣言が出ている愛知県も人の動きは鈍い。約420店舗が店を連ねる名古屋市中区の大須商店街は、人通りが日に日に少なくなっている。洋食店を営む加藤正明さん(65)は従業員を減らし営業を続けているが、「先が見えないのが何よりもつらい」と不安をにじませた。
 一方、「住みたい街」などのランキングで上位の常連とされる東京都武蔵野市の吉祥寺。宣言前よりは減ったものの、駅前広場は絶えず人が行き交っていた。商店街のパソコン販売店には、リモートワークで必要になった機材を買い求める客が訪れるといい、40代の男性店員は「売り上げはそう変わらない」と話す。
 戸越銀座商店街(品川区)も人通りは減少したが、近隣住民らが生活用品の買い出しなどに来ていた。生鮮食品店では緊急事態宣言後に売り上げが好転。外食を控え自炊する人が増えたためとみられ、精肉がよく売れたという。 (C)時事通信社